先月はたくさんイベントがあったのですが、九州編はともちちさんまたはWaterfordさんがレポートしてくれそうなので、私は萬福寺のイベントについてレポートします。
京都市の南方、宇治市にある萬福寺は日本に伝えられた禅宗である臨済宗・曹洞宗・黄檗(おうばく)宗のうち黄檗宗の大本山です。臨済宗の南禅寺や天龍寺、曹洞宗の永平寺などにくらべるとちょっとマイナーかもしれませんが、三大禅宗の中の一つの大本山ということで広大な敷地に立派な建物群を備えた巨大寺院です。
萬福寺は他の禅宗に比べ、比較的最近の江戸時代の初めに中国からやってきた隠元隆琦(いんげんりゅうき)によって創建されたと伝えられます。この禅師は名前の通り中国から日本にインゲン豆を持ってきたとされますが、それだけでなくスイカやレンコン、孟宗竹や木魚も隠元禅師がもたらしたとされています。
持ってきた木魚の原型といわれるものが以下の写真でなんだかちょっとユーモラスです。
他にも、弥勒菩薩の化身といわれる布袋さんの像もあり、これもちょっとおどけた感じがします。
これだけ見るとなんだかゆるゆるな寺という感じもしますが、この寺での実際の修業は厳しいものだそうで。
そんな萬福寺で今回おそらく初めて開催された黄檗エンジョイフェスタin萬福寺に京都橘が招待されたので見物に行ってきました。このイベントはマルシェ、パンの販売会、煎茶道の大会、コンサートなどからなる複合イベントで、京都橘は5/20の午後14:30からのエンジョイコンサートに参加することになっています。
京都には前日から来ていて、午前中はちょっと暇があったので少し近郊をぶらついてみました。萬福寺のすこし北方の伏見区には世界遺産の醍醐寺があり、南方の宇治市中心部にはこれまた世界遺産の宇治上神社や平等院がありますが、今回は萬福寺から電車で5分くらいの平等院に行ってみました。平等院はもともと光源氏のモデルといわれた源融(みなもとのとおる)の別荘で、のち藤原道長の息子の藤原頼通が西暦1052年に寺院に改めたものとされます。境内には言わずと知れた鳳凰堂や阿弥陀如来像をはじめとする国宝も多数あり庭園も美しく、これらが1000年以上前からあるものだと思ってみるとなかなか感慨深いです。
さて昼頃になったので、平等院を出て萬福寺に向かうことにしました。お寺の境内でのイベントだから無料かなと思っていたら、しっかり拝観料500円を取られます。中に入って、マルシェやらパン販売コーナーやら境内を一巡りして演奏会場と思われる本堂前に行ってみると、ともちちさんやDiablo一家、アナログさんWaterfordさんなどを発見。みなさん早めに来て席を確保していたようです。イベント場所がちょっとマイナーなせいか、天候不順のせいか橘参加のイベントにしては観客はちょっと少な目な感じがしました。なお、寺の境内とはいえビールや軽食を出すキッチンカーもあったので軽くランチを食べて演奏会の開演を待ちます。舞台のセッティングは一番人数の多い京都橘の生徒がやっているようで、長女ザウルスさんも忙しそうに働いています。
今回のコンサートは京阪沿線の高等学校の吹奏楽部によるものということで、東宇治高校、京都翔英高校、京都橘高校の順で演奏が開始されました。東宇治高校、京都翔英高校の演奏は悪くはないのですが、人数が少ないせいかちょっと音の厚みにかけていたような気がしました。さていよいよ京都橘の演奏となりますが、屋外とはいえ本日は座奏スタイルで黒パンツに白いワイシャツと金色のネクタイといった格好で登場です。
演奏された曲は以下だと思われます。
・Fafare for Tachibana
・ジャパニーズ・グラフィティ XII
・銀河鉄道999('78 TV版)
・宇宙戦艦ヤマト
・銀河鉄道999('79 劇場版)
・となりのトトロメドレー
・イントロ(風のとおり道)
・さんぽ
・五月の村
・風のとおり道
・ねこバス
・となりのトトロ
さすが京都橘ということで、コントラバスなんかも入って音の厚みが全然違います。しかも入部してからまだひと月ちょっとのはずの新入生も入っているのにもかかわらず、乱れが全然なく表現も豊かです。もしかして新入生は選ばれたメンバーだけだったのでしょうか?なおわれらが長女ザウルスさんは1stクラリネットの三番目で実に堂々と演奏していました。
個人的にちょっと感じたことは、選曲が素直な明るい曲すぎるような気がしました。もうちょっと癖のある複雑なリズムの曲をやってもよかったんじゃないかな。後、パーカッションははっきりと指摘できるわけじゃないけど例年のキレにかける気がしましたが皆さんはどう思われましたでしょうか。
とはいえ演奏には満足でした。終わった後は反省会でともちちさん紹介の伏見のビストロにいってフランス談義などをしながら今年の京都橘について語って今回のイベント終了ということにしました。長くなってしまいましたのでこの辺で。次回はケセラさんよろしくお願いします。